「堆肥」と向き合う
人工的には決して作り出せない
とても理想的な肥料「堆肥」
堆肥は、
「これから先も人工的に作り出すことのできない、伝統的で科学的にも最高の土壌改良肥料である」
と言われています。
堆肥を入れるとなぜ健全な土ができ健全な作物が育つのでしょうか。
※「堆肥」とは、一般的に堆きゅう肥とも言われますが、炭素率(C/N比)の高い有機物(ワラ、籾殻、ノコくず、落ち葉、せん定くずなど)と炭素率の低い有機物(家畜などの糞尿など)を混合し醗酵しおえた土壌改良肥料のこと。
物理的な観点
根が張る土の条件とは、「通気性が良く、排水性があり、保水力がある土」という相反するような環境であり、それを満たす土の状態は、「団粒構造」(2~3mmの土の粒の集まり)だと言われています。
堆肥の投入により、土の間に有機物が入り、理想的な団粒構造になりやすいのです。それは化学肥料では実現できないものなのです。
科学的な観点
宇宙には約110種類の元素がありますが、作物はすべての元素を必要としています。
しかし、化学肥料で補えるのは、N、P、K、Mg、Caなどの10種類程度で、その他の微量要素は土が補っているのでが現実です。
作物の成長過程において元素のバランスが悪いと、収穫量が少なかったり、実の充実が不安定だったり、作物本来の旨味が不足したりします。
その反面、堆肥は自然からの生成物なので全ての元素が入っており、作物にとっての必要量を補えるのです。
生物学的な観点
お米を含むすべての作物が連作障害をおこします。
土1gの中には約5億の微生物がいて、根の周りにはさらにたくさんの微生物がいると言われており、それを「根圏微生物」と言います。そこには、作物にとって良い菌も悪い菌もいます。
特定の作物には、その作物に害を及ぼす特定の菌が居座っているもので、これが連鎖障害の大きな原因です。堆肥は根圏微生物よりも遥かに菌が多く、堆肥を入れることによって菌のバランスが保たれ、作物の成長を助けるのです。
資源循環型農業
土井農場では、養豚と水田という総合農場のメリットを活かして、「全てのものが資源である」という理念のもと、捨てればゴミとなるような、ワラや籾ガラや飼料用米は豚の餌や敷きワラに、豚舎から出る堆肥は水田の土作りに利用し、自然環境に配慮しながら、より有機的な安全安心で美味しい農産物を消費者に提供する、いわゆる「人に優しく、地球に優しい」循環型農業を目指しています。
資源循環型農業とは